「日常と映画の関係」で記事にする前のおぼえがき的映画第一印象メモ。


by callingu2
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カテゴリ:SF( 5 )

アバター

やっと感想を書きます。
訳あって、公開日の初回に見た、3D「アバター」。

ざっとネットで評判見たけど、かなりいいね。
専門家だけじゃなくて、普通の映画ファンや、単なるミーハーや
たまたまクリスマスに映画デートで見たものすごく普通の人まで、
非常に評価が高い。

なによりも、3D映像そのものに対する感動。
素人がここまで反応できる技術とコンテンツというのは、ただ単純にすごいと思う。

モノクロとカラーの違いとか、モノラルとステレオの違いとか、
ドット画とポリゴン画の違いとか、そういう明確なレベルの違いがあるわけで。

「アバター」の10日ほど前に「カールじいさん」を見て、
劇場で3D映画を初めて観たんだけど(正確には子どものころ、ドラえもん映画で見たことあるけど)
予告編の「アバター」にびっくりした。

「カールじいさん」は飛び出す絵本レベルなんだけど、
「アバター」は、迫力というか臨場感というかね。
画がキレイというだけでは表現し得ないものがある。

なんかね。

おばあちゃんにも見せてあげたい、って思う感じ。

そんな「アバター」。

自然な3Dなのです。
テーマパークのアトラクションみたいに
隕石が飛んでくるとか、モンスターが襲い掛かってくるとか、
ほら、3Dだぞ!みたいな、これ見よがしの演出がなくて、とても自然。
それがいい。

世界を表現してるっていうのかな。
それも、ほんとのリアルじゃなくて、異星という、もうひとつのリアルを舞台にしているのがいい。

完全なリアルを追求するとアラが出るし、比較対象ができる。
CGは、完全なリアルには決して勝てないし、
あえてCGでやる意味もない。

CGでしか表現できない、もうひとつのリアルを
スーパーな技術で、ミラクルなセンスで、
作り上げてしまう、完成させてしまう、その説得力。
それは、技術的背景は多少違うにせよ、
スターウォーズ」や「ロード・オブ・ザ・リング」の境地に近い。
(個人的に、この2作品は別格の価値がある)

見たこともない異星人、植物、クリーチャー。
そこに普通の地球人と見慣れたものの延長線上にある機械文明。
「アバター」においては、これが違和感なく、一つの作品の中に表現されている。
ものすごいレベルのツクリモノなのだが、ツクリモノ感がほとんどない。
これは本当に肝心だ。

SFやファンタジーというのは、現実にないものを現実にないルールで表現するわけで
そこにどれだけ違和感を感じさせないか、自然に引き込むかが勝負。
観客を決して白けさせず、長時間退屈させず、物語に引き込み没頭させる。
夢の世界に引き込んで、夢から醒めさせない。
そう、ザッツ・エンタイメント。

テクニカルな部分での成功要因を分析するなら、
人間の世界とナヴィの世界を、基本的に分離した構造が素晴らしい。

生身の人間が異星人たちのなかに入っていくのではなく、
「アバター」という、もうひとつのリアルを借りて進入していくというギミック。
カプセルに入って、身体と意識を分離して、アバターに魂を宿らせる(=リンクする)というのが
正しくSFらしい面白さを生み出してもいるし、
作品そのものを「ただのエイリアンもの」や「ただの戦争映画」にしていない。

人間の世界は、私たちの世界であって、
ナヴィの世界は、夢の中の世界であって、
観客自身がジェイクのアバターに宿って、
ナヴィの世界を探検し、学び、習い、同化していくプロセスを経験する。
3D映画という体験を知る歓びを表現するのに、絶妙の構造だと言える。

そして、そのナヴィの世界で、遺憾なく発揮される
3D映像ならではの美しさや躍動感が観客を強く魅了する。
現実世界では脚が不自由で歩くこともできない主人公が、
夢の世界では自由に歩いて、走って、跳んで、戦える。

ファンタジックで魔法めいたナヴィの世界も、
こういうことがここでならありうるという説得力がじっくり描かれているので
素直に受け入れられる。

ストーリーは奇をてらわずシンプルなのがよい。
ジェームス・キャメロン自身が、
「みんなが知らない世界で、みんながよく知っているアドベンチャーを表現したい」と語ったとおり。

それは、この作品の主題というか、目的がシンプルだからこそ。
複雑で小難しい話にする必要は微塵もなかった。

(以下ちょっとネタバレ)

また、一方的にナヴィたちが勝たないというのもいい。
彼らの多くが死んだり、村を破壊されたりする、そういうシビアさもいい。
そんなにご都合主義的に、傷一つないとか、愛と勇気は文明にも勝つとか、
そういうのがなくていい。

「星を守るのは、星自身の意思」
という、まるでFF7で聞いたのと全く同じコンセプトのクライマックスは、
ものすごく妥当だと思った。

ちなみに、FF7のライフストリームや古代種、マテリア、魔晄エネルギーというコンセプトもダダかぶり。
「神聖なパワーがあふれる森で先祖と会話をできる」とか。
FF7が発売されたのが13年ほど前なので、
「構想14年」の「アバター」も少なからず影響を受けてると思われる。
クリーチャーやフィールドのデザインは、昨今のFFとそっくりだし。
(ファンタジーCGを追求するとそういう方向に行くのか?)

あと、「インディペンデンス・デイ」でやってるような、エイリアンと闘うぜエイエイオー!みたいなノリを
エイリアンが侵略者である地球人と戦うという構造で描くのが、自虐的で少し笑えた。

全体的に、必然性がある映画、と言えばよいですかね。
3D映画の金字塔とも言えるでしょう。

3Dありきで、それをベストな状態で見せるのに最高のストーリーと最高のモチーフ。
でも、とってつけたものじゃなく、自然に融合している。
それが素晴らしい。

3DでアクションやSFをやるのが当たり前になってしまったら、
この作品自体はどうということはなくなると思うのですが、
それでも意味があることをやったと思います。

これから、こういう方法論を踏んで、どんな新しいエンタテイメントが見られるのか、
とても楽しみに思います。


日常と映画の関係でも記事にしました。
デジタル化時代の到来-アバター-
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by callingu2 | 2009-12-29 00:24 | SF
80歳の体で生まれて、若返っていくという数奇な人生をたどる男の物語。

ほどよいファンタジー。

いいね。いい感じ。私はすき。

CG技術ってすごいね。
こういう映像見てみたいなあというものを見せてくれる。

160分という長い映画ですが、あんまりそれを感じさせずに面白く観られます。

ストーリーは、説明するまでもないですね。
気持ちのわるいしわくちゃの赤ん坊が、美しい青年へと若返っていくという
それに、普通に年をとっていく幼なじみの美しい女性との生涯をかけた恋、っていう。

朗読劇「ラブレター」を思い出しましたけれども。

一緒に観に行った人は「フォレスト・ガンプ一期一会」を思い出したって。

確かに、アメリカの歴史を辿る物語でもあるんですな。
愛国心あふれる作品でもあるかも。

この子を捨てた父親は無責任なやつですが、
その父親さえも含め、悪い人は登場しないです。
みんな基本いい人。

時代背景的には、もっと黒人が差別を受けたりしてもいい気がするし、
ベンジャミンがもっと気持ち悪がられて、いじめられてもいいと思うんですが。

波乱といえるほどのことも起きないです。
設定がすでに奇抜なので、これで十分であって、
無駄な盛り上がりは不要ってことなのでしょう。

そして、それがちょうどよい。

そんな物語です。
一見の価値はあります。
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by callingu2 | 2009-02-16 00:13 | SF

20世紀少年

観ましたよ。観ました。

原作を14巻まで読んでいきました。


原作は、文句なく面白い。
これぞ浦沢直樹!これぞ日本漫画の真骨頂!

あまりにもすばらしい。

スケールと深みとシンプルさを併せ持つストーリー。

練り上げられた構成。

圧倒的な画力。




・・・と、原作のすばらしさは置いといて。


映画ね。映画。



うーん、70点。



視点がどうしても、原作との比較になってしまうからなあ。

いいにしても悪いにしても。

で、原作が素晴らしいということは、この映画のストーリーも素晴らしいということで
それはもう、「映画化してくれた」っていうだけで得点。

そして、キャスティングの妙に、さらに得点。
確かによく似てる。

得点は「さらに倍」、っていう感じ。



原作と比べてみて。

まず、肝心なシーンが抜けている気がする。
後々の重要な伏線では?というシーンが。

でも、原作と映画は違う結末を用意すると聞いているので、
もしかしたら、あえてはずしたのかもしれない。



長編の小説や漫画の映画化作品にありがちだけれど、
物語を前に進めることに重点を置くあまり
(上映時間の都合でしかたないのは理解するが)
それぞれのキャラクターを語るエピソードが結構省かれてしまっていて、
どうしても深みに欠ける。

この作品は、やはり群像劇であって欲しい。
でも、原作を知らなければ、「こんなもんだ」と納得するレベルかもしれない。



純粋に映画として。

しょーじき、甘い。
しょーじき、ちゃちい。
このへん、日本映画だなーと思う。

60億円という製作費は、3部作全部でじゃないのかなあ?
出演料とCG製作費?


まずいと思うのは、

音。役者の演技。(特に主要キャラ以外の演技)

中途半端に漫画的。

というか、役者の演技を見るようなシーンがないんだな。
見せ場がない。


なんか、弱い。
印象として。



でもね。いいんだ。

面白いよ、普通に。
次も観たいし。


興行的に成功してますよ。



やっぱり圧倒的な原作がすべてを引っ張ってるし、
この社会現象的な感じ。お祭感。

みたいなものが十分すごい。

それでいいのよ。
それで。


流行の昭和ノスタルジーとか、「1969年」とか。
同時多発テロとか、細菌兵器とか。
少年の夢。おじさんヒーロー。

もう、キーワード的に、時代をおさえてるって思う。


だからいいのよ。


金曜日の朝、
通勤電車で右隣に座った若いサラリーマンが「20世紀少年」の単行本を読んでたのね。
左を見たら、「20世紀少年」のパンフレット読んでる男の人が立ってた。

うわー。って思った。



それでいいのよ。

映画には、そういう側面もあるのよ。
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by callingu2 | 2008-09-07 23:35 | SF

スカイ・クロラ

久々に映画館で鑑賞。

いいね、やっぱり映画館は。
理由なくわくわくする。

やっぱりもっと映画館に行こうって思った。

で、観たのは「スカイ・クロラ」。

押井守のアニメ映画。
ヴェネツィア国際映画祭作品賞にもノミネートされてます。

なぜこれを観ようと思ったかっていうと、まあ、なんとなく。

押井守が好きだし、加瀬亮が好きだし、みたいな。


感想。

不思議な話だが、開始10分で話のオチが分かった。
ループする。そのループの一区切り分。
たぶん、そういう作品なんだろうな、と。

それは最初から分かっていたのだけど、その予感をもちつつ、
一区切り分をどう描くかということに注目。

どこの時代のどこの国のことかもよくわからない、謎の多い話。
まあそれも、押井守的。

最近、俳優がアニメ映画の声優をやるケースが増えているけれど、
正直、あんまりそれでいいと思ったことはない。

加瀬亮みたいないい俳優でも、声優では、いまひとつ。

ナチュラルであるということは、実写では自然でも、
アニメではむしろ不自然に映る。

いわゆる、棒読みに感じる。

声だけでいろんなことを表現するというのは難しい。

その点、谷原章介は上手だな、と思った。
彼はいろんなアニメ映画で起用されているが、
それで経験を積んだおかげなのか、
あるいは上手いから出番が多いのか。

ナチュラルさと、オーバーさの、絶妙のバランス。
そもそも、あの人、声が異常にいい。
実写ではややオーバーだと思うけど、声優としては抜群。

ちなみに、菊地凛子は、実写でも声優でも、個人的にはぱっとしない役者。
オスカーノミネートされてたけど、かいかぶりすぎなような気がする。

栗山千明の方がうまい。

この二人を配役したのは欧米でのセールス考えたんだろうね、きっと。



製作者が作りたいものを作った、という映画だと思った。
悪くない。

モチーフが、ことごとくアンチテーゼになっている。

戦争、大人、死、記憶。

teacherがなぜfatherなのか、もきっと意味があるんだろう。
が、よく分からない。
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by callingu2 | 2008-08-11 00:16 | SF

未来世紀ブラジル

多少注意散漫だったせいでストーリーがよく分からなかった・・・
と思って、レビューサイトなどをチェックしたが、
私が認識しているストーリーに間違いはなかった。

ストーリーの認識は間違っていないが、
そのストーリーが奇奇怪怪。

テリー・ギリアムの作品は、これまでどれも好きだったが、
これは、それらの原型とも言えるものなのだろう・・・

けど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・意味不明!!!

カルト過ぎて、ややついていけない。

おどろおどろしい。。。



コーエン兄弟が、これに刺激を受けて「未来は今」を作ったというのは納得。
テイスト似ている。
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by callingu2 | 2008-06-29 23:41 | SF